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骨が硬い=安心ではない?実は難しいインプラント治療

2026年7月30日

Q.「骨が硬い」と言われました。インプラントには有利ですか?

A. 必ずしもそうではありません。実は、骨が硬すぎる場合もインプラント治療が難しくなることがあります。

インプラント治療というと、「骨が少ない」「骨が薄い」と治療が難しくなるイメージをお持ちの方が多いと思います。

では逆に、骨が硬くしっかりしていればインプラントにとって良い状態なのでしょうか?

実は、「骨が硬い=インプラントが成功しやすい」とは限りません。

骨が硬すぎると、なぜインプラントが難しい?

インプラントは、硬い骨にネジのようにしっかり固定できれば治療が成功する、というものではありません。

インプラントを埋入すると、その周囲に血液が入り、そこから治癒反応が始まります。

一方、非常に硬く緻密な骨では毛細血管が少なく、血流が乏しいことがあり、手術をしても出血が少ない場合があります。

つまり、「硬くてしっかりした骨」と「治りやすい骨」は、必ずしも同じではないのです。

インプラント治療における適度な骨質と硬く緻密な骨の血流・毛細血管の違いを比較したイラスト

 

血液が新しい骨をつくるスタートになります

インプラントを埋入した後、周囲に入り込んだ血液は血餅となり、そこへ細胞や血管が入り込んでいきます。

その後、徐々に新しい骨が形成され、インプラント表面と骨が結合していきます。

この現象を「オッセオインテグレーション」といいます。

つまりインプラント治療では、最初にしっかり固定されることだけでなく、その後に新しい骨が形成される環境が整っていることも非常に重要なのです。

インプラント埋入後に血餅が形成され、新しい骨ができてオッセオインテグレーションが成立するまでの流れ

硬い骨では「熱」にも注意が必要です

硬い骨へのインプラント治療でもう一つ注意しなければならないのが、骨を削る際に発生する「熱」です。

非常に硬い骨はドリルで削りにくいため、切削時に熱が発生しやすくなります。

このような骨の温度上昇を「ボーンヒーティング」と呼びます。

骨に過度な熱が加わると、周囲の骨組織がダメージを受け、場合によっては骨細胞が壊死してしまいます。

そうなれば、せっかくインプラントを埋入しても、正常なオッセオインテグレーションが妨げられる可能性があります。

そのため硬い骨へのインプラント治療では、十分な注水を行いながら、骨質に合わせて適切にドリリングすることが非常に重要になります。

なぜ骨が硬くなることがあるのでしょうか?

骨が硬くなる原因はさまざまですが、長期間炎症が続いている歯の周囲では、慢性的な刺激によって骨が硬く変化していることがあります。

「痛くないから大丈夫」「まだ噛めるから、もう少しこのままで」と状態の悪い歯を長期間放置していると、歯だけではなく、その周囲の骨にも変化が起こることがあります。

もちろん、残せる歯を安易に抜く必要はありません。

しかし、すでに保存することが難しい歯を長期間放置することが、結果として将来のインプラント治療を難しくしてしまう場合もあります。

「抜くべき?残すべき?」と迷ったら、早めにご相談ください

大切なのは、悪くなった歯をすぐに抜くことではありません。

「残せる歯なのか」「保存が難しい歯なのか」を早い段階で適切に診断することです。

残せる歯であれば、できるだけ早く治療して残す。

一方で保存が難しい歯については、その歯だけを見るのではなく、将来どのような治療を行う可能性があるのかまで考えて、適切なタイミングで抜歯することも重要です。

そしてインプラント治療では、

「骨があるか」だけでなく、「どのような骨なのか」まで診断する必要があります。

骨の量や形だけでなく、歯科用CTを用いた3次元的な骨密度(骨質)の解析を行い、周囲組織の状態まで総合的に評価した上で、お一人おひとりに適した治療方法を検討します。

「この歯はまだ残せるのだろうか?」

「抜歯してインプラントにした方がいいのだろうか?」

「骨の状態が悪く、インプラントが難しいと言われた」

このようなお悩みがある方は、状態がさらに悪化してしまう前に一度ご相談ください。

今すぐインプラントにするかどうかではなく、まず現在の歯と骨の状態を正確に診断し、将来を見据えてどのような治療方法が適しているのかを一緒に考えていきます。

インプラント治療や抜歯についてお悩みの方は、LINEまたはWEB予約よりお気軽にご相談ください。

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この記事の執筆・監修

東京銀座デンタルクリニック 院長 金山 健夫

金山 健夫
東京銀座デンタルクリニック 院長 / 歯学博士

インプラント治療・補綴治療・デジタル歯科治療を中心に診療を行う。
日本補綴歯科学会 専門医・指導医。
国立がん研究センター中央病院 非常勤医師(インプラント外科・補綴担当)。

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「仮歯」はすべて同じではありません。インプラント治療で大切な2種類の仮歯

2026年7月22日

インプラント治療で「仮歯」と聞くと、多くの方は「最終的な歯が入るまで一時的に使用する歯」というイメージをお持ちではないでしょうか。

しかし実際には、インプラント治療で使用する仮歯には、それぞれ異なる役割があります。

東京銀座デンタルクリニックでは、治療の段階に応じて仮歯を使い分け、一つひとつの工程を大切にしています。

今回は、当院が補綴治療において重要と考えている2種類の仮歯についてご紹介します。

TECは、治療期間中の日常生活を支える仮歯です

まず使用するのが「TEC(テンポラリークラウン)」です。

抜歯後からインプラント治療が次のステップへ進むまで使用するTEC(テンポラリークラウン)の装着前後比較

TECは、抜歯後からインプラントを埋入するまでの期間や、その後の治療期間中に装着します。

歯がない状態では見た目だけでなく、会話にも影響が出てしまいます。

そのためTECには、

・見た目を保つ

・会話がしやすい状態を維持する

・治療期間中の心理的な負担を軽減する

という役割があります。

つまり、抜歯後からインプラント治療が次のステップへ進むまでの期間を支える仮歯です。

インテリムレストレーションは、最終補綴を完成させるための仮歯です

インプラントが安定し、次の治療段階へ進むと、当院では「インテリムレストレーション(プロビジョナル)」を製作します。

こちらも「仮歯」と呼ばれますが、その目的はTECとは大きく異なります。

私たちは、インテリムレストレーションをディフィニティブレストレーション(ファイナル)を完成させるためのリハビリテーション器具」と考えています。

実際に患者さまに使用していただきながら、

・噛み合わせ

・発音

・清掃性

・見た目

・歯ぐきとの調和

などを細かく確認し、必要に応じて微調整を繰り返します。

この工程を経ることで、その患者さまにとって最も自然で快適な形態へと仕上げていきます。

なぜレジン(歯科用樹脂)を使用するのでしょうか?

インテリムレストレーションには、レジン(歯科用樹脂)を使用しています。

「最終的にはセラミックが入るのに、なぜレジンなの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

その理由は、口腔内で細かな調整が容易に行える素材だからです。

実際に生活していただきながら、

・少しだけ噛み合わせを調整する

・清掃しやすい形態へ修正する

・歯ぐきとの調和を整える

・より自然な見た目へ近づける

といった細かな修正を繰り返すことができます。

また、見た目も天然歯に近い状態で製作するため、日常生活で大きな違和感なく過ごしていただけます。

ディフィニティブレストレーションはゼロから作るものではありません

インテリムレストレーション(プロビジョナル)で完成した形態をデジタルデータとして記録し、ディフィニティブレストレーション(ファイナル)へ忠実に再現した症例

左がインテリムレストレーション(プロビジョナル)、右がディフィニティブレストレーション(ファイナル)です。

一見すると、大きな違いは分からないかもしれません。

実は、それこそが私たちの目指している補綴治療です。

インテリムレストレーションの段階で、患者さまが快適に使用できる形態を十分に検証します。

その後、口腔内スキャナーによるデジタルデータとして、その完成した形態を精密に記録します。

従来の型取りでは難しかった形態も、デジタルデータとして忠実に保存できます。

そして、そのデータをもとにディフィニティブレストレーション(ファイナル)を製作することで、インテリムレストレーションで完成した形態をできるだけ忠実に再現します。

つまり、ディフィニティブレストレーションを口腔内で初めて完成させるのではなく、患者さまがすでに快適に使用していた形態をデジタル技術によって引き継ぐという考え方です。

東京銀座デンタルクリニックのインプラント治療

インプラント治療のゴールは、「インプラントを埋入すること」ではありません。

患者さまが長く快適に噛み、自然に話し、笑顔で過ごせることです。

そのために私たちは、目の前の一本の歯だけではなく、その先の何年、何十年という時間まで見据えて補綴治療を行っています。

インプラントをご検討中の方は、「どのインプラントを使用するか」だけではなく、どのような考え方で最終補綴まで治療を行っているのかにも、ぜひ注目してみてください。

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この記事の執筆・監修

東京銀座デンタルクリニック 院長 金山 健夫

金山 健夫
東京銀座デンタルクリニック 院長 / 歯学博士

インプラント治療・補綴治療・デジタル歯科治療を中心に診療を行う。
日本補綴歯科学会 専門医・指導医。
国立がん研究センター中央病院 非常勤医師(インプラント外科・補綴担当)。

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50代・60代でも矯正はできますか? ~年齢よりも大切なのは、お口全体を考えた治療計画です~

2026年7月8日

「もう50代だから矯正は難しいですよね?」

当院では、このようなご相談をいただくことがあります。

確かに年齢を重ねると、歯並びだけではなく、歯を失っていたり、ブリッジや被せ物が入っていたりと、お口の状態はより複雑になります。

しかし、矯正治療ができるかどうかは年齢だけで決まるものではありません。

大切なのは、現在のお口の状態を正しく診断し、将来を見据えた治療計画を立てることです。

今回は、50代で治療を開始された患者様をご紹介します。


初診時のご希望は「インプラント治療」でした

この患者様が最初にご希望されたのは、「しっかり噛めるようになりたいので、インプラント治療をしたい」ということでした。

初診時には複数の欠損があり、ブリッジによる治療も行われていました。

また、噛み合わせや歯並びを詳しく診査すると、将来的には矯正治療を組み合わせた方が、より長期的に安定した治療結果が期待できる状態でした。

そのため初回カウンセリングでは、「インプラントだけでなく、矯正治療も選択肢の一つになります。」というお話もさせていただきました。

ただし、治療を選択するのは患者様ご自身です。

当院では考えられる治療方法はすべてご説明しますが、無理に治療をおすすめすることはありません。

患者様のご希望を尊重し、まずはインプラント治療から開始しました。

治療を進める中で、患者様のお気持ちが変わりました

インプラント治療が進み、お口の機能が改善していく中で、患者様からこのようなお話がありました。

「ここまで治るなら、歯並びも整えたいです。」

このようなお気持ちの変化は決して珍しいことではありません。

最初は「噛めるようになれば十分」と考えていた患者様でも、

治療が進むにつれて、

・より自然な歯並びにしたい

・この先も長く自分の歯やインプラントを大切に使いたい

・噛み合わせまでしっかり整えたい

というお気持ちになる方は少なくありません。

そこで改めて診査・診断を行い、矯正治療を開始しました。

症例のご紹介

初診時(左)と治療終了時(右)の比較です。

50代女性のインプラントと矯正治療の症例比較。初診時と治療後の口腔内写真・パノラマレントゲン。包括的な歯科治療による噛み合わせ改善例。

 

インプラント治療で噛む機能を回復した後、矯正治療を行うことで歯並びと噛み合わせを整えました。

口腔内写真だけでなく、レントゲン写真でも、お口全体の変化をご確認いただけます。

矯正治療は見た目だけが目的ではありません

今回の症例では、インプラント治療によって噛む機能を回復した後、矯正治療で歯並びと噛み合わせを整えました。

当院では、見た目だけでなく、長く快適に使えるお口をつくることを大切にしています。

歯の位置を整えることで、インプラントや被せ物への負担を軽減し、清掃性や長期的な安定性の向上も期待できます。

年齢だけで諦める必要はありません

50代・60代になると、「もう矯正は遅いのでは?」と感じる方も少なくありません。

しかし、重要なのは年齢ではなく、お口全体の状態です。

適切な診査・診断を行えば、年齢に関係なく治療の選択肢が広がることがあります。

東京銀座デンタルクリニックの考え方

当院では、インプラントだけ、矯正だけではなく、お口全体を一つの単位として診断しています。

CTや口腔内スキャン、噛み合わせの分析をもとに、一人ひとりに合わせた治療計画をご提案しています。

「年齢的に難しいかもしれない」と感じている方も、まずはお気軽にご相談ください。

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この記事の執筆・監修

東京銀座デンタルクリニック 矯正治療・インプラント担当医 飯岡 拓馬

飯岡 拓馬

歯科医師・歯学博士

OISS(Ortho Implant Synergy System)提唱者。インプラント・矯正治療を専門とし、

先天性欠損やインプラント矯正など、包括的な治療を得意とする。

・Osstem インプラント矯正治療ディレクター

・国際インプラント協会(IDIA)指導医

・日本口腔インプラント学会

・Quintessence Yearbook 掲載

・保田矯正塾 講師

👉 歯科医師プロフィールはこちら

インプラントは何年もちますか? 長持ちさせるために大切な3つのポイント

2026年7月2日

「インプラントはどのくらいもちますか?」

患者さまからよくいただくご質問です。

インプラントは、適切な診査・診断、精密な治療、そして治療後のメインテナンスを継続することで、

10年、20年、あるいはそれ以上の長期にわたり良好な状態を維持することが可能です。

国内外の多くの研究では、インプラントの10年生存率は90〜95%以上と報告されており、適切な治療とメインテナンスを継続することで長期間安定して機能することが期待できます。

今回は、インプラントをより長く、生涯にわたって機能させるために大切な3つのポイントを解説します。

① 精密な診査・診断に基づく治療設計

インプラント治療で最も重要なのは、治療前の診査・診断です。

当院では、骨の量や神経・上顎洞との位置関係、噛み合わせまで三次元的に分析しています。

患者さま一人ひとりのお口の状態に合わせ、安全性と長期的な安定性を考えた治療計画をご提案しています。

CTと口腔内スキャンを用いたインプラント治療の精密な審査・診断とデジタルシミュレーションデジタルシミュレーションによるインプラントの埋入位置・角度・噛み合わせの治療設計

② 包括的なアプローチと確かな技術

インプラントは、埋入する位置や角度、噛み合わせまで精密に設計することで、長く安定して機能しやすくなります。 単に欠損部にインプラントを埋入するだけでなく、全体の噛み合わせのバランスを整えるために、必要に応じて骨造成や矯正治療も組み合わせた包括的なシミュレーションを行います。科学的根拠に基づいた力をコントロールする設計こそが、インプラントへの過度な負担を防ぎ、長期安定を実現する鍵となります。

③ 科学的リスク管理に基づく定期メインテナンス

インプラント自体は虫歯になりませんが、「インプラント周囲炎」を患うと、自覚症状がないまま周囲の骨が溶け、インプラントを失う最大の原因になります。学術的な調査でも、定期メインテナンスを怠った場合は、周囲炎の発症リスクが大幅に高まることが実証されています。

そのため、ご自宅でのセルフケアと歯科医院での定期的なメインテナンスが欠かせません。 当院では、「メインテナンスもインプラント治療の一部」と考えています。歯科医師と歯科衛生士が連携し、お口の状態に合わせた専門的なメインテナンス(専用機器を用いた精密なクリーニング等)を行っています。

また、当院の歯科衛生士は継続的に知識・技術の研鑽を重ねており、2026年8月にはインプラントメインテナンスをテーマとしたセミナーで講師を務める予定です。指導的立場にある専門スタッフが、患者さまのリスクに応じた科学的なケアを提供いたします。

インプラントを長持ちさせるための専門的なメインテナンスとクリーニング

安心して治療を受けていただくために

東京銀座デンタルクリニックでは、インプラントを長く安心してご使用いただくため、適切な診査・診断、精密な治療、そして継続的なメンテナンスを大切にしています。

それでも、「万が一のことが心配」という患者さまもいらっしゃいます。

そのため当院では、ご希望の患者さまを対象にガイドデントのインプラント10年保証制度にもご加入いただけます。

治療後も安心してインプラントをご使用いただけるよう、治療技術だけでなく、アフターサポート体制も整えています。

インプラントを長持ちさせるために

インプラントを長持ちさせるためには、

・精密な診査・診断に基づく治療設計

・包括的なアプローチと確かな技術

・科学的リスク管理に基づく定期メインテナンス

この3つが欠かせません。

東京銀座デンタルクリニックでは、インプラントを埋入することをゴールとは考えていません。

長く安心してお使いいただくことをゴールと考えています。

精密な診査・診断に基づく治療設計、包括的なアプローチと確かな技術、継続的なメインテナンス、そしてご希望に応じた保証制度まで含めて、患者さまが安心して治療を受けられる環境づくりを大切にしています。

インプラント治療をご検討中の方や、長く安心して使えるインプラント治療をご希望の方は、ぜひ一度東京銀座デンタルクリニックへご相談ください。

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この記事の執筆・監修

東京銀座デンタルクリニック 院長 金山 健夫

金山 健夫
東京銀座デンタルクリニック 院長 / 歯学博士

インプラント治療・補綴治療・デジタル歯科治療を中心に診療を行う。
日本補綴歯科学会 専門医・指導医。
国立がん研究センター中央病院 非常勤医師(インプラント外科・補綴担当)。

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オールオン4と言われました。本当にそれが最善なのでしょうか?

2026年6月10日

インプラント治療のご相談で、近年よく耳にする言葉のひとつに「オールオン4(All-on-4)」があります。

患者様からも、

・「他院でオールオン4を勧められました」

・「歯を全部抜いてオールオン4にすると言われました」

・「オールオン4が一番良い治療なのでしょうか?」

というご相談をいただくことがあります。

オールオン4は、少ない本数のインプラントで固定式の人工歯を支える優れた治療コンセプトです。

しかし当院では、「オールオン4だから良い」「オールオン4だから悪い」という考え方はしていません。

大切なのは治療法の名前ではなく、その患者様にとって本当に長期的に安定する治療かどうかです。

オールオン4とはどのような治療でしょうか?

オールオン4とは、4本のインプラントで片顎の人工歯を支える治療コンセプトです。

一般的には、

・前方の2本は垂直に埋入

・後方の2本は傾斜をつけて埋入

することで、骨造成を回避しながら固定式の人工歯を支えることを目的としています。

All-on-4の概念図。前方2本を垂直埋入、後方2本を傾斜埋入して固定式補綴を支える一般的な設計イメージ

オールオン4には、

・少ない本数で固定式の歯を支えられる

・骨造成を回避できる場合がある

・治療期間を短縮できる場合がある

といったメリットがあります。

その一方で、患者様のお口の状態によっては別の治療設計が適している場合もあります。

「オールオン4」という言葉だけでは治療内容は分かりません

現在では「オールオン4」という言葉が広く知られるようになりました。

しかし実際には、

・4本ではない

・骨造成を併用している

・即時負荷を行わない

・本来のコンセプトとは異なる設計

であっても「オールオン4」という名称で説明されることがあります。

もちろんそれが悪いという意味ではありません。

ただ、患者様がイメージしているオールオン4と、実際に行われる治療内容が一致していないケースも少なくありません。

そのため当院では、まず診断を行い、

・骨の状態

・残存歯の状態

・清掃性

・咬合設計

・長期安定性

を総合的に評価することを重視しています。

本来のオールオン4ではボーンリダクションを行うことがあります

オールオン4の本来の考え方では、必要に応じて骨の高い部分を整える処置(ボーンリダクション)を行います。

特に下顎前歯部では骨が高く残っていることがあり、そのまま人工歯を作製すると

・補綴スペース不足

・清掃性の低下

・審美性の低下

につながる場合があります。

そのため骨の高い部分を整え、顎堤を平坦化してからインプラント治療を行う考え方があります。

ボーンリダクションの概念図。顎堤を平坦化し補綴スペースや清掃性を確保するための処置を解説したシェーマ

ボーンリダクションの目的は、単に骨を削ることではありません。

・人工歯のスペース確保

・清掃性の向上

・審美性の向上

・長期安定性の向上

を目的として行われます。

当院が傾斜埋入に慎重な理由

オールオン4では後方のインプラントを傾斜埋入することがあります。

これは骨造成を回避しやすいというメリットがあります。

一方で当院では、傾斜埋入そのものに対して慎重な考えを持っています。

理由は、治療後の清掃性やメンテナンス性です。

傾斜埋入したインプラントでは、角度を補正するためのアングルアバットメント(マルチユニットアバットメント)が使用されます。

もちろん優れたシステムですが、構造が複雑になることで、

・清掃しにくい

・汚れが溜まりやすい

・長期的なメンテナンスが難しくなる

可能性があります。

当院では、インプラントは「入れること」よりも「長く維持すること」が重要だと考えています。

そのため、

・補綴設計

・清掃性

・メンテナンス性

・将来的な対応のしやすさ

まで含めて治療計画を立案しています。

当院の全顎インプラント治療症例

上下顎の全顎インプラント治療症例。骨造成を併用し機能回復と審美性の両立を図った症例写真

上下顎の歯を失った患者様に対し、骨造成を併用しながら全顎的なインプラント治療を行った症例です。

本症例では、

・骨の状態

・咬合設計

・清掃性

・長期安定性

を総合的に考慮しながら治療計画を立案しました。

当院では治療法ありきではなく、患者様一人ひとりに合わせた設計を行い、機能回復と長期安定を目指しています。

当院が全顎インプラント治療で重視していること

当院では、

・オールオン4

・オールオン6

・骨造成併用インプラント

・残存歯の保存

・矯正治療の併用

など、様々な選択肢の中から診断を行っています。

重要なのは、「どの治療法を行うか」ではなく、「その患者様にとって最適な治療計画は何か」です。

オールオン4は有効な選択肢のひとつです。

しかし、すべての患者様にとって最善とは限りません。

当院では、治療法の名前ではなく、骨の状態・清掃性・咬合設計・長期安定性を重視しながら診断を行っています。

オールオン4と言われて不安な方へ

・本当に歯を全部抜く必要があるのか

・他の治療方法はないのか

・自分の場合はどのような選択肢があるのか

患者様のお口の状態によって、最適な治療方法は異なります。

当院では、オールオン4ありきではなく、骨の状態・残存歯・清掃性・咬合設計・長期安定性まで含めて診断を行っています。

「他院でオールオン4を勧められた」「別の選択肢がないか知りたい」という方もお気軽にご相談ください。


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東京銀座デンタルクリニック 院長 金山 健夫

金山 健夫
東京銀座デンタルクリニック 院長 / 歯学博士

インプラント治療・補綴治療・デジタル歯科治療を中心に診療を行う。
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国立がん研究センター中央病院 非常勤医師(インプラント外科・補綴担当)。

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フラップレスインプラントは本当に良い治療ですか? ~当院が歯肉形態(エマージェンスプロファイル)を重視する理由~

2026年6月5日

インプラント治療について調べていると、「フラップレスインプラント」という言葉を目にすることがあります。

フラップレスインプラントは歯肉を大きく切開せずに行うため、

腫れが少ない

・痛みが少ない

・手術時間が短い

といったメリットがあります。

そのため、「できるだけ負担の少ない方法で治療したい」という患者様には魅力的に映るかもしれません。

しかし当院では、「インプラントを入れること」だけでなく、「どのような歯肉形態で治癒させるか」を非常に重要視しています。

インプラント治療は埋入して終わりではありません

インプラント治療で本当に重要なのは、単に骨の中へインプラントを埋入することではありません。

最終的な

・見た目

・清掃性

・長期安定性

は、インプラント周囲の歯肉形態によって大きく左右されます。

特に補綴学では、歯肉から歯が立ち上がる形態を「エマージェンスプロファイル」と呼びます。

当院では、このエマージェンスプロファイルが 「滑らかで天然歯いん近いこと」が、プラークの停滞を防ぎ、インプラント周囲炎のリスクを抑える(=長期安定性)のために極めて重要だと考えています。

フラップレスインプラントではヒーリングアバットメントによる治癒が一般的です

フラップレスインプラントでは、歯肉を切開せずにインプラントを埋入するため、多くの場合は埋入と同時にヒーリングアバットメントを装着する「1回法」で治療が行われます。

ヒーリングアバットメントは、インプラント周囲の歯肉を治癒させるための部品です。

術後の治療期間を短縮できるメリットがありますが、一方で歯肉はヒーリングアバットメントの形態に沿って治癒していきます。

そのため、最終的な歯肉形態やエマージェンスプロファイルのコントロールには限界が生じる場合があります。

当院では、この点も考慮しながら治療計画を立案しています。

 

 

同じインプラントでも歯肉の治り方は変わります

フラップレスインプラントとプロビジョナルレストレーションによるエマージェンスプロファイルの違いを解説した比較図及びインプラント治療におけるヒーリングアバットメントとプロビジョナルレストレーションによる歯肉形態形成の違い

 

上の図は歯肉の治癒の違いを模式的に表したものです。

ヒーリングアバットメントで治癒した場合、歯肉はその形態に沿って治癒するため、比較的円形で機械的な歯肉形態になりやすくなります。

一方で、プロビジョナルレストレーション(仮歯)を用いて治癒させた場合は、最終的な歯冠形態に近い状態で歯肉を誘導することができます。

その結果、より自然な歯肉の立ち上がりを獲得しやすくなります。

 

 

実際の口腔内でも歯肉形態に違いが現れます

ヒーリングアバットメント治癒とプロビジョナルレストレーションによる軟組織マネジメント後の歯肉形態比較症例

こちらは実際の症例です。

左はヒーリングアバットメントの形に沿って治癒した状態です。

一方、右は2次オペ時にプロビジョナルレストレーション(仮歯)を装着し、歯肉形態をコントロールした状態です。

同じインプラントであっても、歯肉の立ち上がり方やボリューム感に違いが生じることがお分かりいただけると思います。

当院では単にインプラントを埋入するだけではなく、最終的にどのような歯肉形態を獲得するかまで考えながら治療を行っています。

 

当院は「歯肉を育てる」ことを重視しています

抜歯後の軟組織治癒により天然歯と調和する歯肉環境を整えたインプラント治療症例

こちらは当院で治療を行った症例です。左は抜歯直後、右はインプラントを埋入し軟組織調整後に最終補綴を装着した状態です。

当院では抜歯後すぐにインプラントを埋入することだけを優先せず、まず歯肉環境を整えることを重視しています。

歯肉のボリュームや形態を整えることで、その後のインプラント治療や補綴治療をより理想的な状態で行うことが可能になります。

最終的には、インプラント部分だけが目立つのではなく、周囲の天然歯と調和した自然な歯肉の立ち上がりを目指します。

インプラント治療において重要なのは、「インプラントが入ること」ではなく、「天然歯と違和感なく調和し、長期的に安定すること」だと当院は考えています。

 

 

フラップレスインプラントが悪いわけではありません

ここで誤解していただきたくないのは、フラップレスインプラントそのものが悪い治療法というわけではありません。

適応症例では、

患者様の負担が少ない

・手術時間が短い

・術後の腫れが少ない

という大きなメリットがあります。しかし、すべての症例に最適な方法とは限りません。

骨の状態や歯肉の厚み、角化歯肉の量、最終的な補綴形態などを総合的に判断し、適切な術式を選択することが重要です。

 

当院の考え方

当院では、「できるだけ早く治療を終えること」よりも、「できるだけ長く安定すること」を大切にしています。

そのため、

・骨の状態

・歯肉の状態

・噛み合わせ

・補綴形態

まで考慮しながら治療計画を立案しています。

インプラント治療をご検討中の方や、他院でフラップレスインプラントを提案されている方も、お気軽にご相談ください。

 

 

東京銀座デンタルクリニックへご相談ください

当院ではインプラント治療を単なる「欠損補綴」と考えるのではなく、天然歯と調和し、長期的に安定する口腔環境の構築を目指しています。

・「インプラントを検討している」
・「他院でフラップレスを勧められた」
・「見た目にもこだわりたい」

という方は、お気軽にご相談ください。

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金山 健夫
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インプラントまでの「歯がない期間」はどうする?

2026年5月27日

当院が“治癒を待つインプラント”を選択する理由

インプラント治療をご検討中の患者様から、よくいただくご質問があります。

「抜歯したその日にインプラントは入れられますか?」
「歯がない期間はありますか?」
「前歯なので見た目が心配です…」

特に前歯では、

・見た目

・会話

・発音

・お仕事

・お食事

など、日常生活への影響を不安に感じられる方が多くいらっしゃいます。

当院では“すぐ埋入しない”ことがあります

インプラント治療には、

・抜歯と同時にインプラントを埋入する方法(即時埋入)

・抜歯後、一定期間治癒を待ってから埋入する方法

があります。当院では、歯ぐきや骨の状態によっては、 抜歯後に一定期間治癒を待ってからインプラントを行う「Type2埋入(早期埋入)」を選択することがあります。

その理由は、

・歯ぐきの治癒を待てる

・炎症の改善を待てる

・骨や軟組織の状態を整えやすい

・長期的に安定した位置へ埋入しやすい

といったメリットがあるためです。

当院では、単に「早く入れること」よりも、

👉 長期的な安定性
👉 歯ぐきの治癒
👉 清掃性
👉 最終補綴の仕上がり

を重視しています。

“歯がない期間”をどう過ごすのかも重要です

一方で、患者様にとっては、「待つこと」そのものより、“その間どうなるのか”が大きな不安になります。

当院では、治癒期間中も見た目や日常生活に配慮するため、デジタル技術を活用した即時義歯を使用しています。

抜歯当日の流れ

前歯部の抜歯前・抜歯直後・即時義歯装着後を比較した症例写真。CGFを併用しながら、抜歯当日にデジタル即時義歯を装着したインプラント治療症例。

上記は実際のケースです。

左から、

① 抜歯前
② 抜歯直後
③ 即時義歯装着後

を示しています。これらはすべて、同じ日に行った処置です。

治癒環境にも配慮しています

抜歯直後には、必要に応じてCGF(自己血由来の再生材料)を使用し、抜歯窩の治癒環境を整えています。

さらに、デジタル技術を活用した即時義歯をその日のうちに装着することで、

・見た目

・発音

・咀嚼

など、日常生活への影響を最小限に抑えるよう配慮しています。

CGFとは、患者様ご自身の血液から作製する再生材料で、抜歯後の治癒環境を整える目的で使用しています。

当院で使用しているCGFについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。

CGF(自己血由来の再生材料)についてはこちら

即時義歯は“その場で作っている”わけではありません

患者様から、「その日のうちに義歯を作るのですか?」と驚かれることがあります。

当院では、初診時に口腔内スキャンを行い、そのデータをもとに即時義歯をデジタル設計しています。

初診時のスキャンデータ

口腔内スキャンデータを用いたデジタル即時義歯の設計フロー。初診時のIOSデータから即時義歯を設計・作製し、抜歯当日に装着した症例イメージ。

このように、口腔内をデジタルデータとして記録し、

・咬み合わせ

・歯の位置

・欠損部位

・見た目のバランス

などを確認しながら、即時義歯を設計しています。

そのため、

👉 見た目
👉 発音
👉 装着感
👉 日常生活での使いやすさ

にも配慮した治療が可能になります。

“待つ期間”にも意味があります

インプラント治療では、「早く終わること」が必ずしも最善とは限りません。

当院では、

・骨の治癒

・歯ぐきの状態

・炎症の改善

・補綴設計

まで含めて総合的に診断し、長期的な安定性を重視した治療をご提案しています。

そのため、症例によっては、

👉 抜歯後すぐではなく、一定期間治癒を待ってからインプラントを行う「Type2埋入(早期埋入)」を選択することがあります。

「なぜ当院がType2埋入を選択するのか」については、こちらの記事でも詳しく解説しています。

当院がType2埋入(早期埋入)を選択する理由についてはこちら

インプラントをご検討中の方へ

「自分は即時埋入が向いているの?」
「歯がない期間はどのようになる?」
「見た目はどこまで自然にできる?」

など、症例によって適した方法は異なります。

まずは診査・診断の上で、患者様に合った治療方法をご提案いたします。

お気軽にLINE相談・WEB予約をご利用ください。

LINE相談はこちら👉https://lin.ee/nFrrKRC

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この記事の執筆・監修

東京銀座デンタルクリニック 院長 金山 健夫

金山 健夫
東京銀座デンタルクリニック 院長 / 歯学博士

インプラント治療・補綴治療・デジタル歯科治療を中心に診療を行う。
日本補綴歯科学会 専門医・指導医。
国立がん研究センター中央病院 非常勤医師(インプラント外科・補綴担当)。

院長プロフィールはこちら

抜歯後の“治り方”まで考えた治療を大切にしています

2026年5月20日

抜歯というと、「歯を抜いて終わり」というイメージを持たれる方も多いかもしれません。

しかし実際には、抜歯後にどのように治癒していくかは、その後の治療結果にも大きく関わってきます。

特に、

・インプラント治療

・骨や歯ぐきの状態

・見た目の自然さ

・長期的な安定性

を考えると、“抜歯後の治癒環境”は非常に重要です。

当院の考え方

「身体が本来持つ治癒力を活かす」

当院では、「できる限りご自身の組織・治癒力を活かす」という考え方を大切にしています。

人の身体には本来、“治ろうとする力”が備わっています。

そのため私たちは、

・必要以上に侵襲を増やさない

・生体反応を邪魔しない

・自然な治癒の流れに乗せる

ということを意識しながら治療を行っています。

CGF(PRF)を使用しています

当院では抜歯時に、患者様ご自身の血液から作製したCGF(PRF)を抜歯窩へ填入しています。

CGF(PRF)は、採血した血液を遠心分離することで作製される、成長因子を多く含むフィブリンゲルです。

実際にはこのような流れで作製しています。

患者自身の血液を遠心分離しCGF(PRF)フィブリンゲルを作製している工程写真

患者様ご自身の血液を採取し、遠心分離を行うことで、成長因子を多く含むフィブリンゲルが形成されます。

簡単に言うと、“ご自身の血液成分を利用して、身体本来の治癒反応を活かす処置”になります。

人工的な材料を多く使用するのではなく、まずは身体本来の治癒力を活かすそれが当院の抜歯後治療における基本的な考え方です。

実際にはこのように処置を行います

作製したCGF(PRF)は、抜歯窩へ填入し、創部を保護するように縫合します。

CGF(PRF)を抜歯窩へ填入しX縫合で保護している模式図

日々の診療の中では、

・歯ぐき(軟組織)の治癒が綺麗

・上皮化が比較的スムーズ

・抜歯後の組織が安定しやすい

と感じる場面が多くあります。

また、術後トラブルが少ない印象もあり、抜歯後の治癒環境を整える一助になっていると考えています。

※治癒には個人差があります。

ソケットプリザベーションについて

抜歯後の処置として、「ソケットプリザベーション(抜歯窩保存術)」を提案されたことがある方もいらっしゃるかもしれません。

これは、
抜歯窩へ骨補填材を填入し、骨や歯ぐきのボリューム減少を抑えることを目的とした処置です。

もちろん、ケースによって有効な場面もあります。

しかし実際には、

・骨の状態

・軟組織の状態

・感染の有無

・将来的にどのタイミングでインプラントを行うか

によって、考え方は変わります。

当院では「治癒の流れ」を重視しています

当院では特に、

・軟組織の治癒

・血流

・生体の自然な回復

・組織の安定を重視しています。

そのため、“何を入れるか”だけではなく、“どう治癒させるか”を大切にしています。

特に待時埋入を前提とする場合、まずは身体本来の治癒反応を活かし、自然な治癒環境を整えることが重要だと考えています。

CGF(PRF)も、その考え方の延長線上にある処置の一つです。

抜歯は「抜いて終わり」ではありません

特にインプラント治療では、“抜歯後にどう治るか”によって、その後の治療の難易度や長期安定性が変わることもあります。

当院では、単に歯を抜くだけではなく、

・その後どう治癒するか

・骨や歯ぐきをどう守るか

・将来的にどう安定させるか

まで含めて治療を考えています。

ご相談について

「抜歯後の治りが心配」
「インプラントを見据えて相談したい」
「できるだけ身体に負担の少ない治療を受けたい」

という方は、

LINE相談https://lin.ee/nFrrKRC

WEB予約https://ginza-dental.or.jp/contact/#link01

よりお気軽にご相談ください

※CGFを用いた処置は、再生医療等安全性確保法に基づき、しかるべき届出を行った体制のもとで実施しています

この記事の執筆・監修

東京銀座デンタルクリニック 院長 金山 健夫

金山 健夫
東京銀座デンタルクリニック 院長 / 歯学博士

インプラント治療・補綴治療・デジタル歯科治療を中心に診療を行う。
日本補綴歯科学会 専門医・指導医。
国立がん研究センター中央病院 非常勤医師(インプラント外科・補綴担当)。

院長プロフィールはこちら

マウスピース矯正とワイヤー矯正 『大切なのは「装置」ではなく「診断」です』

2026年5月12日

近年、マウスピース矯正を目にする機会が増えました。

・目立ちにくい

・取り外しができる

・気軽に始められる

このようなイメージから、興味を持たれる方も多いと思います。

実際に、マウスピース型矯正装置には多くのメリットがあります。
一方で、矯正治療は「歯を並べるだけ」の治療ではありません。

見た目だけでなく、

・歯根の位置

・咬み合わせ

・奥歯の関係

・横顔や口元のバランス

まで含めて、精密にコントロールしていく必要があります。

そのため矯正治療で最も重要なのは、

「どの装置を使うか」ではなく、
“その症例に適した治療方法を正しく診断すること”です。

マウスピース矯正とワイヤー矯正の特徴を比較した図

 

マウスピース矯正のメリット

マウスピース型矯正装置には、多くの利点があります。

・装置が目立ちにくい

・取り外しが可能

・食事や歯磨きがしやすい

・金属装置への抵抗感が少ない

特に軽度〜中等度の歯列不正では、有効な選択肢となることがあります。

また、症例によっては治療の一部にマウスピース型装置を取り入れることで、見た目や快適性に配慮した治療が可能になる場合もあります。

しかし、すべての症例に適しているわけではありません

矯正治療では、歯の見えている部分(歯冠)だけではなく、歯根を含めた三次元的なコントロールが重要になります。

特に、

・抜歯を伴う症例

・重度の叢生(ガタつき)

・大きな歯牙移動が必要なケース

・咬み合わせの調整が必要なケース

では、より精密な歯のコントロールが求められます。

マウスピース型矯正装置では、症例によって歯冠側が先に移動し、歯根の移動が遅れやすい傾向がみられることがあります。

一見きれいに並んで見えても、

・歯根の位置

・咬み合わせ

・奥歯のバランス

まで適切にコントロールできているかは、別の問題です。

歯の動きには違いがあります

矯正治療では、歯をどのように動かすかがとても重要です。

マウスピース矯正では、症例によっては「傾斜移動」と呼ばれる動きが起こりやすくなります。

これは、歯冠側(見えている部分)が先に動き、歯根が後からついてくるような動きです。

一方、ワイヤー矯正では、歯根を含めて歯全体をコントロールしやすく、「歯体移動」と呼ばれる安定した動きが得られる場面があります。

そのため、

・歯根の位置を整えたいケース

・咬み合わせの調整が重要なケース

・長期的な安定性を重視するケース

では、ワイヤー矯正が有効になることがあります。

マウスピース矯正とワイヤー矯正における歯の動きの違いを説明した図

マウスピース矯正は「患者さんの協力度」も重要です

ワイヤー矯正では装置が固定されているため、24時間継続して歯に力が加わります。

一方、マウスピース矯正では、

・装着時間

・マウスピースの適合状態

・ゴムかけ

・交換タイミング

など、患者さん自身による管理が治療結果に大きく影響します。

装着時間が不足したり、マウスピースが浮いた状態で使用されたりすると、計画通りに歯が動かなくなることがあります。

また、歯の移動途中では一時的に歯と歯の間に隙間が生じるため、食べ物が詰まりやすく感じる方も少なくありません。

特に抜歯症例や大きな移動を伴うケースでは、違和感につながる場合があります。

ワイヤー矯正が現在も重視される理由

ワイヤー矯正は、長年にわたり確立されてきた治療方法です。

ブラケットとワイヤーを用いることで、

・歯根を含めた三次元的コントロール

・精密な歯牙移動

・咬合調整

・幅広い症例への対応

が可能になります。

特に複雑な症例では、現在でもワイヤー矯正が重要な役割を担っています。

「ワイヤー矯正は古い治療」というイメージを持たれることがありますが、実際には、より精度の高い治療を行うために欠かせない場面が多くあります。

ワイヤー矯正・アライナー矯正・アラインチューブを組み合わせたハイブリッド矯正のイメージ

当院では、見た目への配慮だけでなく、必要な歯牙移動や咬合コントロールを考えながら、症例ごとに適した方法を選択しています。

「目立ちにくい矯正」はマウスピースだけではありません

「矯正装置が目立つのが心配」という方も少なくありません。

現在では、

・透明感のあるブラケット

・白いワイヤー

・ブラケットを使用しないシステム

など、見た目に配慮した矯正治療も選択できるようになっています。

そのため、「目立ちにくさ」と「精密な歯牙移動」の両立を目指せるケースもあります。

矯正治療についてカウンセリングを行う歯科医師

装置選びより大切なのは「診断」です

どの装置にも、それぞれ得意・不得意があります。

大切なのは、流行している装置を選ぶことではなく、その方の歯並びや咬み合わせに本当に適した方法を選択することです。

当院では、最初から「マウスピース矯正ありき」で治療を進めることはありません。

必要な歯牙移動や咬合の状態を丁寧に診断し、見た目だけではなく、長期的な安定まで考えた矯正治療をご提案しています。

矯正治療をご検討中の方は、ぜひ一度ご相談ください。

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この記事の執筆・監修

東京銀座デンタルクリニック 矯正治療・インプラント担当医 飯岡 拓馬

飯岡 拓馬

歯科医師・歯学博士

OISS(Ortho Implant Synergy System)提唱者。インプラント・矯正治療を専門とし、

先天性欠損やインプラント矯正など、包括的な治療を得意とする。

・Osstem インプラント矯正治療ディレクター

・国際インプラント協会(IDIA)指導医

・日本口腔インプラント学会

・Quintessence Yearbook 掲載

・保田矯正塾 講師

👉 歯科医師プロフィールはこちら

インプラントは「いつ入れるか」で結果が変わります<最新研究と体の回復の仕組みから考える最適なタイミング>

2026年5月6日

インプラントのご相談で、よくこんな質問をいただきます。

「抜歯したその日にインプラントって入れられますか?」
「できれば早く終わらせたいんですが…」

確かに、できるだけ早く治療を終えたいと思うのは自然なことです。

ただ実は…

👉 インプラントは“いつ入れるか”で結果が変わる治療です。

🤔 なぜ医院によって説明が違うのか?

ある医院では…
「すぐ入れられます」

別の医院では…
「少し待ちましょう」

この違いに戸惑う方はとても多いです。

これはどちらが正しい・間違いではなく👇

👉 インプラントには複数のタイミングがあり、それぞれ適応が異なるためです

🧭まずは全体像をシンプルにご説明します

抜歯後のインプラント埋入タイミング(即時・早期・待機)と、それぞれの治癒状態の違いを示した図解

インプラントは大きく分けて

・抜歯と同時に入れる方法

・少し期間をあけて入れる方法

・しっかり治ってから入れる方法

があります。

⚠️ 一番大切なポイント

👉 「できる治療」と
👉 「長く安定する治療」は同じではありません

なぜ当院は“少し待つ方法”を選ぶことが多いのか

当院では多くのケースで

👉 抜歯後、1〜2ヶ月ほど期間をあけてからインプラントを行う方法(早期埋入 / Type2)

を選択しています。

その理由は、体の回復の仕組みにあります。

体が“最も治ろうとしているタイミング”を活かす

歯を抜いたあと、お口の中では段階的に回復が進みます。

まず歯ぐきは比較的早く閉じていきますが、

👉 体は感染や異物があれば外に出そうとする性質があります

そのため、

👉 歯ぐきがしっかり閉じている状態は、内部の炎症や感染がコントロールされ、環境が整ってきているサインと考えられます

一方で内部では、

👉 まだやわらかい“骨になる途中の組織”が形成されている状態です

👉 いわば「骨の準備が進んでいる段階」

です。

抜歯後1〜2ヶ月の状態を示す図。歯ぐきは治癒しているが内部では骨形成途中の組織が存在する状態を解説

このタイミングで治療するメリット

この“回復の途中”のタイミングでインプラントを行うことで

・体の自然な治癒の流れを活かせる

・骨が形成されやすい環境を利用できる

・インプラントが安定しやすい

👉 安全性と結果のバランスが非常に良い方法です。

インプラントの埋入時期と荷重時期に関するエビデンスをまとめた図。各タイミングの信頼性の違いを示している

※専門的な図ですが、「どのタイミングがどの程度信頼されているか」を示しています

この研究から分かることは👇

👉 どの方法も可能だが、“適応とタイミング”が重要である

ということです。

実際のケース

前歯の歯根破折症例に対するインプラント治療の経過。治療前、抜歯後、最終補綴後の変化を示した症例写真

前歯の歯根破折により、抜歯が必要となったケースです。

患者様は「できればすぐインプラントを入れたい」とご希望されていましたが、

👉 抜歯部位の骨が不足しており、骨の再生(GBR)が必要な状態でした。

また、

👉 骨の再生は歯ぐきの状態が整っていることが重要なため、治癒期間を設けました。

その結果、

・骨の回復が進み

・歯ぐきの形態も整い

👉 自然で安定した仕上がりを得ることができました

❗ では“すぐ入れる方法”はダメなのか?

そういうわけではありません。

・感染がない

・骨の状態が良い

・十分な固定が得られる

👉 こうした条件が揃えば、有効な選択肢です。

ただし重要なのは👇

👉 “できるかどうか”ではなく
👉 “その人にとって最適かどうか”

まとめ

・インプラントはタイミングで結果が変わる

・どの方法も可能だが適応が重要

・当院では“体の回復を活かすタイミング”を重視

ご相談・ご予約について

インプラント治療は

👉 “早さ”よりも“正しさ”が大切です

当院では、

・CTによる骨の評価

・歯ぐきの状態

・噛み合わせ

をしっかり診査した上で
👉 最も安全で長く安定する方法をご提案しています

👉 無理に特定の治療をおすすめすることはありませんので、安心してご相談ください

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参考文献

※本記事は、システマティックレビュー(Gallucci et al., 2026)をもとに構成しています

この記事の執筆・監修

東京銀座デンタルクリニック 院長 金山 健夫

金山 健夫
東京銀座デンタルクリニック 院長 / 歯学博士

インプラント治療・補綴治療・デジタル歯科治療を中心に診療を行う。
日本補綴歯科学会 専門医・指導医。
国立がん研究センター中央病院 非常勤医師(インプラント外科・補綴担当)。

院長プロフィールはこちら

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