インプラント相談では、最初からCT撮影が必要? ― パノラマX線とCT、それぞれの役割 ―
2026年9月26日
インプラント相談に来院された患者さんから、
「CTを撮らなくてもインプラントができるか分かるのですか?」
「最初からCTで詳しく調べた方がいいのでは?」
とご質問をいただくことがあります。
CTは、インプラント治療において非常に重要な検査です。
一方で、初診相談の段階から、すべての患者さんにCT撮影が必要とは限りません。
東京銀座デンタルクリニックでは、まず口腔内の診査やパノラマX線画像、口腔内スキャンなどからお口全体の状態を確認し、必要に応じてCT撮影へ進みます。
今回は、パノラマX線とCTで「何が分かるのか」、実際の症例画像を使ってご紹介します。
初診では、まずお口全体を確認します

パノラマX線は、上下の歯やあごの骨などを一枚の画像で広く確認できる検査です。
インプラント相談では、歯を失っている場所だけを見るのではありません。
残っている歯や歯の根、歯周組織、あごの骨の状態、上顎洞や下顎管のおおよその位置など、お口全体の状態を把握することが重要です。
そのため初診相談では、パノラマX線画像や口腔内の診査などから、まず「どのような治療が考えられるのか」という大きな方向性を検討します。
ただし、パノラマX線は二次元の画像です。
インプラントを実際にどの位置・深さ・角度で埋入するのかを計画するためには、パノラマだけでは分からない情報があります。
CTでは、あごの骨を三次元的に確認できます

こちらは、同じ患者さんの術前・術後のCTデータを立体的に表示した画像です。
CTでは、パノラマX線とは異なり、あごの骨や欠損部を三次元的に観察することができます。
特にインプラント治療では、骨の形態や厚み、周囲の解剖学的構造との位置関係など、二次元の画像だけでは把握しにくい情報を確認できることがCTの大きな役割です。
このように、パノラマとCTは「どちらが優れている」というものではなく、確認する目的が異なる検査です。
手術前にはCTで詳しく確認し、埋入位置を検討します

こちらも同じ患者さんのCT画像です。
この症例では、埋入を予定している位置に目印を入れてCTを撮影しています。
CTの断面画像を確認することで、骨の高さだけでなく、骨の厚みや形態、下顎管などとの位置関係を詳しく確認できます。
これらの情報をもとに、使用するインプラントや埋入位置・深さ・角度などを検討していきます。
右側はインプラント埋入後のCT画像です。術後には、埋入されたインプラントの位置や周囲組織との位置関係などを確認することができます。
「最初からCTを撮らない=詳しく診ていない」ではありません
CTは非常に多くの情報を得られる検査ですが、情報量の多い検査を最初から行えばよい、というわけではありません。
初診相談では、まずお口全体を診査し、パノラマX線画像などから治療の大きな方向性を検討します。
そしてインプラント治療を具体的に進める段階では、CTによる三次元的な評価を行い、より詳細な治療計画を立てていきます。
もちろん、骨の状態が厳しいと考えられる場合や、重要な解剖学的構造との位置関係などを初診時から詳しく確認する必要がある場合には、早い段階でCT撮影を行うこともあります。
大切なのは「CTを撮るか、撮らないか」ではなく、治療の段階や症例に応じて必要な検査を適切に選択することです。
東京銀座デンタルクリニックでは、初診時の診査から実際のインプラント手術まで、それぞれの段階で必要な情報を確認しながら治療計画を立てています。
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この記事の執筆・監修

金山 健夫
東京銀座デンタルクリニック 院長 / 歯学博士
インプラント治療・補綴治療・デジタル歯科治療を中心に診療を行う。
日本補綴歯科学会 専門医・指導医。
国立がん研究センター中央病院 非常勤医師(インプラント外科・補綴担当)。
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インプラントの歯はどう固定する?―当院がほぼすべて「スクリュー固定」を選ぶ理由―
2026年9月9日
インプラント治療というと、「顎の骨にインプラントを埋める手術」をイメージされる方が多いと思います。
しかし、その上に装着する人工歯(上部構造)をどのように固定するかも、長期的な管理を考えるうえで重要です。
固定方法には、大きく分けて
・スクリュー(ネジ)で固定する方法
・セメントで固定する方法
の2種類があります。
当院では基本的にスクリュー固定(スクリューリテイン)を採用しています。
実際に2025年に当院で埋入したインプラント677本のうち、セメント固定となったのはわずか3本でした。
では、なぜほぼすべての症例でスクリュー固定を選択しているのでしょうか。
スクリュー固定とセメント固定の違い

*スクリュー固定はネジで、セメント固定はアバットメントに上部構造を接着して固定します。
スクリュー固定の大きな特徴は、必要なときに上部構造を取り外せることです。
修理や再製だけでなく、長期的なメンテナンスを考えるうえでも大きなメリットがあります。また、セメントを使用しないため、インプラント周囲への余剰セメントの残留を避けることができます。
一方、セメント固定にもアクセスホールがないなどの特徴があり、症例によっては有効な方法です。
どちらが絶対的に優れているということではなく、症例に応じた選択が重要です。
なぜ「取り外せること」が重要なのか?
特に複数本のインプラントを連結した大型の上部構造では、セルフケアをしっかり行っていても、清掃器具が届きにくい部分があります。
*以下、実際の治療・症例写真が含まれます(閲覧注意)

*大型インプラント上部構造の粘膜面。セルフケアを行っていても、清掃器具が届きにくい部分には汚れが蓄積することがあります。
写真は、上部構造を装着したときと約6か月後の状態です。
口腔内環境などによっては、普段は見えない粘膜側にこれだけ汚れが蓄積することがあります。
当院では必要に応じて大型の上部構造を取り外し、通常では清掃しにくい部分まで直接確認・清掃してから再装着しています。
「取り外せること」は、インプラントを長く管理するための重要な機能でもあります。
大型補綴では「中間アバットメント」を使用
複数本のインプラントを使用した大型補綴では、症例に応じてマルチアバットメント(中間アバットメント)を使用しています。

*大型上部構造を取り外した状態。中間アバットメントを残し、上部構造の着脱やメンテナンスを行えるよう設計しています。
写真で金色に見えている部分が中間アバットメントです。
これを介することで、大型上部構造の取り外し・再装着を行いやすくなります。
また、その後の補綴操作をアバットメントレベルで行うことで、インプラント周囲組織への介入をできるだけ少なくするという考え方にもつながります。
では、なぜ3本だけセメント固定だったのか?
2025年にセメント固定となった3本は、すべて永久歯の先天性欠損を伴う症例でした。
欠損部のスペースや骨幅に制約があったため、細径の1ピースインプラントを選択し、その構造上セメント固定となっています。
つまり当院では、「スクリュー固定が良く、セメント固定が悪い」と考えているわけではありません。
基本的には長期管理を考えてスクリュー固定を選択しながら、患者さんの骨やスペース、使用するインプラントの構造によって適切な方法を選択しています。
先天性欠損歯の治療について詳しくはこちら→ https://ginza-dental.or.jp/congenital/
インプラントは「入れたら終わり」ではありません
インプラント治療では、正確にインプラントを埋入することはもちろん重要です。
しかし、それと同じくらい大切なのが、「そのインプラントを将来どう管理していくか」という視点です。
最終的な歯の形や噛み合わせ、固定方法、そして長期的なメンテナンスまで考えて、治療開始時から逆算して設計する。
当院では、インプラントを「埋入すること」だけをゴールとせず、最終的な上部構造とその後の長期管理まで考えた治療を大切にしています。
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金山 健夫
東京銀座デンタルクリニック 院長 / 歯学博士
インプラント治療・補綴治療・デジタル歯科治療を中心に診療を行う。
日本補綴歯科学会 専門医・指導医。
国立がん研究センター中央病院 非常勤医師(インプラント外科・補綴担当)。
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インプラントは「骨がある場所」に入れればいい?埋入位置が最終的な歯の形を左右します
2026年8月28日
インプラント治療では、インプラントを支えるために十分な骨があることはもちろん重要です。
しかし、「骨がある場所=インプラントを入れるべき場所」とは限りません。
インプラントをどこに埋入するかによって、その上に作る歯の形や噛み合わせ、清掃性、将来的なメンテナンスのしやすさまで変わってきます。
最終的な歯の位置から逆算して考える
インプラント治療では、まず「骨のどこにインプラントが入るか」だけを考えるのではなく、最終的にどこに、どのような歯を作りたいのかを考えることが大切です。
下の画像は、最終的な歯の位置から逆算して埋入した場合と、骨のある口蓋側(内側)に寄せて埋入した場合を比較したものです。

上から見ると、左ではインプラントが最終的な歯の中心付近に位置しているのに対し、右では口蓋側(内側)に位置していることが分かります。
インプラントが口蓋側に寄りすぎると、最終的な歯を本来必要な位置まで頬側(外側)へ張り出して作らなければならないことがあります。
横から見ると、歯の形にも違いが出ます
同じ状態を横から見てみます。

左は最終的な歯の位置を考えてインプラントを埋入しているため、無理の少ない自然な形態で補綴物を作ることができます。
一方、右はインプラントが口蓋側に寄っているため、最終的な歯が頬側へ大きく張り出した、カンチレバー状(片持ち)の形態になっています。
このような形態は、噛み合わせだけでなく、清掃性やその後のメンテナンスにも影響する可能性があります。
「入る場所」ではなく「入れるべき場所」を考える
骨の状態によっては、骨が十分にある場所へインプラントを入れた方が治療しやすいように見えることがあります。
しかし大切なのは、インプラントを骨の中に入れること自体ではなく、その上にどのような歯を作るのかまで考えて治療を設計することです。
そのため当院では、最終的な歯の位置や噛み合わせ、清掃性などを考慮しながら、インプラントの埋入位置を検討しています。
症例によって適切な埋入位置は異なります。骨の量や形態だけで判断するのではなく、最終的な歯から逆算して診断・設計することが、インプラント治療では重要です。
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金山 健夫
東京銀座デンタルクリニック 院長 / 歯学博士
インプラント治療・補綴治療・デジタル歯科治療を中心に診療を行う。
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インプラントは「入れて終わり」ではありません|長く使うために大切なメインテナンス
2026年8月19日
「インプラントは何年くらいもちますか?」
インプラント治療をご検討されている患者様から、よくいただくご質問のひとつです。
インプラントは、適切な治療とその後のメインテナンスを行うことで、長期にわたって使用することが期待できる治療です。
しかし、大切なのは、「インプラントを入れたら治療は終わり」ではないということです。
私たちは、インプラントは「入れる治療」だけではなく、「長く守っていくところまで含めた治療」だと考えています。
今回は、インプラントを長く安定して使っていただくために、治療後のメインテナンスでどのようなことを確認しているのかをご紹介します。
インプラントにも「歯周病のような病気」があります
インプラントそのものは、天然歯のようにむし歯になることはありません。
しかし、インプラントの周囲にプラークが蓄積すると、周囲の組織に炎症が起こることがあります。
代表的なものが、「インプラント粘膜炎」と「インプラント周囲炎」です。
インプラント粘膜炎は、インプラント周囲の粘膜に炎症が起きているものの、インプラントを支える骨の喪失までは認められない状態です。
一方、炎症がさらに進行してインプラント周囲炎になると、出血や排膿、ポケットの深化に加えて、インプラントを支えている骨の喪失が認められるようになります。

*「インプラント周囲炎・インプラント粘膜炎・健康なインプラント周囲組織」の比較画像
インプラント周囲の炎症は、早期に発見し適切に対応することが重要です。
画像を見ると分かるように、問題が大きくなってから対応するのではなく、小さな変化を早い段階で見つけることが非常に重要です。そのために欠かせないのが、治療後の定期的なメインテナンスです。
インプラントのメインテナンスは「クリーニング」だけではありません
メインテナンス=歯をきれいにすること」というイメージをお持ちの方も多いと思います。
もちろん、プラークを取り除き、清潔な状態を保つことは非常に重要です。
しかし、インプラントのメインテナンスでは、クリーニングだけを行っているわけではありません。
インプラントを長期的に安定させるために、
・歯肉からの出血(BOP)
・ポケットの深さの変化(PPD)
・排膿の有無
・プラークコントロール
・X線写真による骨レベル
・噛み合わせやスクリューの緩み
・上部構造の形態
などを継続的に確認していきます。

インプラントのメインテナンスでは、周囲組織だけでなく、骨・噛み合わせ・上部構造まで確認します。
特に重要なのは、一回の検査結果だけで判断しないことです。
例えば、インプラント周囲のポケットは「何mmだから悪い」と数字だけで判断するものではありません。
治療後の状態を記録しておき、
「以前と比較して深くなっていないか」
「出血するようになっていないか」
「骨の状態に変化がないか」
といった経時的な変化を確認することが重要です。
X線写真についても同様です。
治療後の状態を基準として保存し、その後のX線写真と比較することで、見た目だけでは分からない骨の変化を確認していきます。
実は「インプラント上部構造の形態」もメインテナンスに関係します
インプラントを長く安定して使用するためには、患者様によるセルフケアや定期的なメインテナンスだけでなく、治療する側の設計も重要です。
天然歯とインプラントでは、歯ぐきの中の構造が大きく異なります。
天然歯には歯根がありますが、インプラントでは骨の中に埋入されたインプラント体の上に上部構造(人工の歯)を装着します。
そのため、インプラントの上部構造は天然歯と比較して、歯ぐき付近のふくらみが大きい「オーバーカントゥア」になりやすいという特徴があります。

インプラントは構造上、天然歯とまったく同じ形にすることはできません。
適切な位置にインプラントを埋入し、上部構造を丁寧に設計した場合でも、天然歯と比較すると歯ぐき付近にある程度のふくらみが生じることがあります。つまり、どれだけ適切に治療を行っても、構造上ある程度のオーバーカントゥア(ふくらみ)は避けられない場合があります。
大切なのは、そのふくらみを単純になくすことではありません。
見た目や機能性を確保しながら、歯ブラシやフロスなどが届きやすく、患者様ご自身でもできるだけ清掃しやすい形態に設計することが重要です。
そして、そのような上部構造を作るためには、上に装着する歯だけを考えるのではなく、インプラントをどの位置・角度に埋入するかという治療計画の段階から考える必要があります。
インプラントの埋入位置、上部構造の形態、周囲の骨や歯肉、噛み合わせ、そして治療後のメインテナンス。これらは、それぞれ別々のものではありません。
治療開始時から、その後のメインテナンスまでを見据えて設計することが、インプラントの長期安定につながります。
インプラントを長く使っていただくために
インプラント治療は、インプラントを正確に埋入するだけで終わりではありません。
清掃性や噛み合わせを考えた上部構造を設計し、治療後も定期的に状態を確認していくこと。
「入れること」から「長く守ること」までを一つの治療として考えることが、インプラントの長期安定につながります。
東京銀座デンタルクリニックでは、治療後のメインテナンスにも力を入れています。
先日開催されたOSSTEM JAPAN DH1Dayセミナーでも、当院の歯科衛生士がインプラントの長期安定を支えるメインテナンスについて講演を行いました。
インプラントの長期安定を支える歯科衛生士の役割 ― OSSTEM JAPAN DH1Dayセミナー講師を担当しました ―
インプラント治療をご検討中の方はもちろん、すでにインプラントが入っており、現在の状態やメインテナンスについて気になる方もお気軽にご相談ください。
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矯正治療が終わったのにインプラントができない?―歯根の位置まで考えた矯正治療
2026年8月13日
インプラント治療では、歯が抜けている部分に十分なスペースがあれば治療できると思われる方も多いかもしれません。
しかし実際には、お口の中から見える「歯と歯の隙間」だけでは、インプラントを埋入できるかどうか判断できないことがあります。
今回は、他院で矯正治療を終えた後、インプラント治療について当院へご相談いただいたケースをご紹介します。
歯の隙間はあるのに、インプラントを入れられない?
こちらのケースでは、矯正治療によって欠損部分に歯が入るスペースは確保されていました。
一見すると、インプラント治療を行うためのスペースも十分にあるように見えます。
しかし、歯の表面だけでなくCBCT画像を用いた三次元診断により、歯根の軸傾斜や骨幅まで精緻に評価すると状況は異なっていました。

*口腔内スキャンとX線画像を重ねて確認すると、歯冠部にはスペースがある一方、骨の中では隣接する歯根との距離が十分ではないことが分かります。
インプラントでは「歯根のスペース」も重要です
インプラントは骨の中に埋入する治療です。
そのため、最終的な歯が入るスペースだけではなく、インプラントを適切な位置・方向に埋入するための骨のスペースや、隣接する歯根との位置関係まで確認する必要があります。
今回のケースでは、見た目上のスペースは確保されていましたが、インプラント治療を行うという観点では歯根間のスペースが十分ではありませんでした。
そこで当院では、すぐにインプラントを埋入するのではなく、再度矯正治療を行い、歯根の位置を整えてからインプラント治療へ進む計画としました。
矯正治療には「最終的なゴールから逆算した設計」が大切
矯正治療には、歯並びや噛み合わせの改善など、それぞれ異なる治療目的があります。
そのため、今回のケースだけをもって以前の矯正治療の良し悪しを判断することはできません。
一方で、矯正治療後にインプラントを予定している場合は、最終的なインプラントの位置まで考えた矯正治療計画が重要になります。
単に「歯と歯の間に隙間を作る」のではなく、
どこにインプラントを埋入し、どの位置に最終的な歯を作るのか。
そこから逆算して、歯冠だけでなく歯根の位置まで整えていく必要があります。
当院では矯正とインプラントを一つの治療として考えます
東京銀座デンタルクリニックでは、インプラント治療と矯正治療をそれぞれ独立した治療として考えるのではなく、最終的な歯の位置・噛み合わせ・インプラントの埋入位置まで含めて治療計画を立案しています。
今回のケースも、矯正治療を担当する飯岡拓馬医師が歯根の位置を再評価し、インプラント治療を見据えた再矯正を行う予定です。
「矯正治療は終わったけれどインプラントができないと言われた」
「インプラントを入れるためのスペースが足りないと言われた」
「矯正とインプラント、どちらから治療すればいいのか分からない」
このような場合でも、矯正とインプラントの両方から治療計画を検討することで、選択肢が広がる可能性があります。
まずは現在のお口の状態を正確に確認することが大切です。
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この記事の執筆・監修

飯岡 拓馬
歯科医師・歯学博士
OISS(Ortho Implant Synergy System)提唱者。インプラント・矯正治療を専門とし、
先天性欠損やインプラント矯正など、包括的な治療を得意とする。
・Osstem インプラント矯正治療ディレクター
・国際インプラント協会(IDIA)指導医
・日本口腔インプラント学会
・Quintessence Yearbook 掲載
・保田矯正塾 講師
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骨が硬い=安心ではない?実は難しいインプラント治療
2026年7月30日
Q.「骨が硬い」と言われました。インプラントには有利ですか?
A. 必ずしもそうではありません。実は、骨が硬すぎる場合もインプラント治療が難しくなることがあります。
インプラント治療というと、「骨が少ない」「骨が薄い」と治療が難しくなるイメージをお持ちの方が多いと思います。
では逆に、骨が硬くしっかりしていればインプラントにとって良い状態なのでしょうか?
実は、「骨が硬い=インプラントが成功しやすい」とは限りません。
骨が硬すぎると、なぜインプラントが難しい?
インプラントは、硬い骨にネジのようにしっかり固定できれば治療が成功する、というものではありません。
インプラントを埋入すると、その周囲に血液が入り、そこから治癒反応が始まります。
一方、非常に硬く緻密な骨では毛細血管が少なく、血流が乏しいことがあり、手術をしても出血が少ない場合があります。
つまり、「硬くてしっかりした骨」と「治りやすい骨」は、必ずしも同じではないのです。

血液が新しい骨をつくるスタートになります
インプラントを埋入した後、周囲に入り込んだ血液は血餅となり、そこへ細胞や血管が入り込んでいきます。
その後、徐々に新しい骨が形成され、インプラント表面と骨が結合していきます。
この現象を「オッセオインテグレーション」といいます。
つまりインプラント治療では、最初にしっかり固定されることだけでなく、その後に新しい骨が形成される環境が整っていることも非常に重要なのです。

硬い骨では「熱」にも注意が必要です
硬い骨へのインプラント治療でもう一つ注意しなければならないのが、骨を削る際に発生する「熱」です。
非常に硬い骨はドリルで削りにくいため、切削時に熱が発生しやすくなります。
このような骨の温度上昇を「ボーンヒーティング」と呼びます。
骨に過度な熱が加わると、周囲の骨組織がダメージを受け、場合によっては骨細胞が壊死してしまいます。
そうなれば、せっかくインプラントを埋入しても、正常なオッセオインテグレーションが妨げられる可能性があります。
そのため硬い骨へのインプラント治療では、十分な注水を行いながら、骨質に合わせて適切にドリリングすることが非常に重要になります。
なぜ骨が硬くなることがあるのでしょうか?
骨が硬くなる原因はさまざまですが、長期間炎症が続いている歯の周囲では、慢性的な刺激によって骨が硬く変化していることがあります。
「痛くないから大丈夫」「まだ噛めるから、もう少しこのままで」と状態の悪い歯を長期間放置していると、歯だけではなく、その周囲の骨にも変化が起こることがあります。
もちろん、残せる歯を安易に抜く必要はありません。
しかし、すでに保存することが難しい歯を長期間放置することが、結果として将来のインプラント治療を難しくしてしまう場合もあります。
「抜くべき?残すべき?」と迷ったら、早めにご相談ください
大切なのは、悪くなった歯をすぐに抜くことではありません。
「残せる歯なのか」「保存が難しい歯なのか」を早い段階で適切に診断することです。
残せる歯であれば、できるだけ早く治療して残す。
一方で保存が難しい歯については、その歯だけを見るのではなく、将来どのような治療を行う可能性があるのかまで考えて、適切なタイミングで抜歯することも重要です。
そしてインプラント治療では、
「骨があるか」だけでなく、「どのような骨なのか」まで診断する必要があります。
骨の量や形だけでなく、歯科用CTを用いた3次元的な骨密度(骨質)の解析を行い、周囲組織の状態まで総合的に評価した上で、お一人おひとりに適した治療方法を検討します。
「この歯はまだ残せるのだろうか?」
「抜歯してインプラントにした方がいいのだろうか?」
「骨の状態が悪く、インプラントが難しいと言われた」
このようなお悩みがある方は、状態がさらに悪化してしまう前に一度ご相談ください。
今すぐインプラントにするかどうかではなく、まず現在の歯と骨の状態を正確に診断し、将来を見据えてどのような治療方法が適しているのかを一緒に考えていきます。
インプラント治療や抜歯についてお悩みの方は、LINEまたはWEB予約よりお気軽にご相談ください。
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金山 健夫
東京銀座デンタルクリニック 院長 / 歯学博士
インプラント治療・補綴治療・デジタル歯科治療を中心に診療を行う。
日本補綴歯科学会 専門医・指導医。
国立がん研究センター中央病院 非常勤医師(インプラント外科・補綴担当)。
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「仮歯」はすべて同じではありません。インプラント治療で大切な2種類の仮歯
2026年7月22日
インプラント治療で「仮歯」と聞くと、多くの方は「最終的な歯が入るまで一時的に使用する歯」というイメージをお持ちではないでしょうか。
しかし実際には、インプラント治療で使用する仮歯には、それぞれ異なる役割があります。
東京銀座デンタルクリニックでは、治療の段階に応じて仮歯を使い分け、一つひとつの工程を大切にしています。
今回は、当院が補綴治療において重要と考えている2種類の仮歯についてご紹介します。
TECは、治療期間中の日常生活を支える仮歯です
まず使用するのが「TEC(テンポラリークラウン)」です。

TECは、抜歯後からインプラントを埋入するまでの期間や、その後の治療期間中に装着します。
歯がない状態では見た目だけでなく、会話にも影響が出てしまいます。
そのためTECには、
・見た目を保つ
・会話がしやすい状態を維持する
・治療期間中の心理的な負担を軽減する
という役割があります。
つまり、抜歯後からインプラント治療が次のステップへ進むまでの期間を支える仮歯です。
インテリムレストレーションは、最終補綴を完成させるための仮歯です
インプラントが安定し、次の治療段階へ進むと、当院では「インテリムレストレーション(プロビジョナル)」を製作します。
こちらも「仮歯」と呼ばれますが、その目的はTECとは大きく異なります。
私たちは、インテリムレストレーションを「ディフィニティブレストレーション(ファイナル)を完成させるためのリハビリテーション器具」と考えています。
実際に患者さまに使用していただきながら、
・噛み合わせ
・発音
・清掃性
・見た目
・歯ぐきとの調和
などを細かく確認し、必要に応じて微調整を繰り返します。
この工程を経ることで、その患者さまにとって最も自然で快適な形態へと仕上げていきます。
なぜレジン(歯科用樹脂)を使用するのでしょうか?
インテリムレストレーションには、レジン(歯科用樹脂)を使用しています。
「最終的にはセラミックが入るのに、なぜレジンなの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
その理由は、口腔内で細かな調整が容易に行える素材だからです。
実際に生活していただきながら、
・少しだけ噛み合わせを調整する
・清掃しやすい形態へ修正する
・歯ぐきとの調和を整える
・より自然な見た目へ近づける
といった細かな修正を繰り返すことができます。
また、見た目も天然歯に近い状態で製作するため、日常生活で大きな違和感なく過ごしていただけます。
ディフィニティブレストレーションはゼロから作るものではありません

左がインテリムレストレーション(プロビジョナル)、右がディフィニティブレストレーション(ファイナル)です。
一見すると、大きな違いは分からないかもしれません。
実は、それこそが私たちの目指している補綴治療です。
インテリムレストレーションの段階で、患者さまが快適に使用できる形態を十分に検証します。
その後、口腔内スキャナーによるデジタルデータとして、その完成した形態を精密に記録します。
従来の型取りでは難しかった形態も、デジタルデータとして忠実に保存できます。
そして、そのデータをもとにディフィニティブレストレーション(ファイナル)を製作することで、インテリムレストレーションで完成した形態をできるだけ忠実に再現します。
つまり、ディフィニティブレストレーションを口腔内で初めて完成させるのではなく、患者さまがすでに快適に使用していた形態をデジタル技術によって引き継ぐという考え方です。
東京銀座デンタルクリニックのインプラント治療
インプラント治療のゴールは、「インプラントを埋入すること」ではありません。
患者さまが長く快適に噛み、自然に話し、笑顔で過ごせることです。
そのために私たちは、目の前の一本の歯だけではなく、その先の何年、何十年という時間まで見据えて補綴治療を行っています。
インプラントをご検討中の方は、「どのインプラントを使用するか」だけではなく、どのような考え方で最終補綴まで治療を行っているのかにも、ぜひ注目してみてください。
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50代・60代でも矯正はできますか? ~年齢よりも大切なのは、お口全体を考えた治療計画です~
2026年7月8日
「もう50代だから矯正は難しいですよね?」
当院では、このようなご相談をいただくことがあります。
確かに年齢を重ねると、歯並びだけではなく、歯を失っていたり、ブリッジや被せ物が入っていたりと、お口の状態はより複雑になります。
しかし、矯正治療ができるかどうかは年齢だけで決まるものではありません。
大切なのは、現在のお口の状態を正しく診断し、将来を見据えた治療計画を立てることです。
今回は、50代で治療を開始された患者様をご紹介します。
初診時のご希望は「インプラント治療」でした
この患者様が最初にご希望されたのは、「しっかり噛めるようになりたいので、インプラント治療をしたい」ということでした。
初診時には複数の欠損があり、ブリッジによる治療も行われていました。
また、噛み合わせや歯並びを詳しく診査すると、将来的には矯正治療を組み合わせた方が、より長期的に安定した治療結果が期待できる状態でした。
そのため初回カウンセリングでは、「インプラントだけでなく、矯正治療も選択肢の一つになります。」というお話もさせていただきました。
ただし、治療を選択するのは患者様ご自身です。
当院では考えられる治療方法はすべてご説明しますが、無理に治療をおすすめすることはありません。
患者様のご希望を尊重し、まずはインプラント治療から開始しました。
治療を進める中で、患者様のお気持ちが変わりました
インプラント治療が進み、お口の機能が改善していく中で、患者様からこのようなお話がありました。
「ここまで治るなら、歯並びも整えたいです。」
このようなお気持ちの変化は決して珍しいことではありません。
最初は「噛めるようになれば十分」と考えていた患者様でも、
治療が進むにつれて、
・より自然な歯並びにしたい
・この先も長く自分の歯やインプラントを大切に使いたい
・噛み合わせまでしっかり整えたい
というお気持ちになる方は少なくありません。
そこで改めて診査・診断を行い、矯正治療を開始しました。
症例のご紹介
初診時(左)と治療終了時(右)の比較です。

インプラント治療で噛む機能を回復した後、矯正治療を行うことで歯並びと噛み合わせを整えました。
口腔内写真だけでなく、レントゲン写真でも、お口全体の変化をご確認いただけます。
矯正治療は見た目だけが目的ではありません
今回の症例では、インプラント治療によって噛む機能を回復した後、矯正治療で歯並びと噛み合わせを整えました。
当院では、見た目だけでなく、長く快適に使えるお口をつくることを大切にしています。
歯の位置を整えることで、インプラントや被せ物への負担を軽減し、清掃性や長期的な安定性の向上も期待できます。
年齢だけで諦める必要はありません
50代・60代になると、「もう矯正は遅いのでは?」と感じる方も少なくありません。
しかし、重要なのは年齢ではなく、お口全体の状態です。
適切な診査・診断を行えば、年齢に関係なく治療の選択肢が広がることがあります。
東京銀座デンタルクリニックの考え方
当院では、インプラントだけ、矯正だけではなく、お口全体を一つの単位として診断しています。
CTや口腔内スキャン、噛み合わせの分析をもとに、一人ひとりに合わせた治療計画をご提案しています。
「年齢的に難しいかもしれない」と感じている方も、まずはお気軽にご相談ください。
LINE相談はこちら👉https://lin.ee/nFrrKRC
24時間WEB予約はこちら👉https://ginza-dental.or.jp/contact/#link01
この記事の執筆・監修

飯岡 拓馬
歯科医師・歯学博士
OISS(Ortho Implant Synergy System)提唱者。インプラント・矯正治療を専門とし、
先天性欠損やインプラント矯正など、包括的な治療を得意とする。
・Osstem インプラント矯正治療ディレクター
・国際インプラント協会(IDIA)指導医
・日本口腔インプラント学会
・Quintessence Yearbook 掲載
・保田矯正塾 講師
👉 歯科医師プロフィールはこちら
インプラントは何年もちますか? 長持ちさせるために大切な3つのポイント
2026年7月2日
「インプラントはどのくらいもちますか?」
患者さまからよくいただくご質問です。
インプラントは、適切な診査・診断、精密な治療、そして治療後のメインテナンスを継続することで、
10年、20年、あるいはそれ以上の長期にわたり良好な状態を維持することが可能です。
国内外の多くの研究では、インプラントの10年生存率は90〜95%以上と報告されており、適切な治療とメインテナンスを継続することで長期間安定して機能することが期待できます。
今回は、インプラントをより長く、生涯にわたって機能させるために大切な3つのポイントを解説します。
① 精密な診査・診断に基づく治療設計
インプラント治療で最も重要なのは、治療前の診査・診断です。
当院では、骨の量や神経・上顎洞との位置関係、噛み合わせまで三次元的に分析しています。
患者さま一人ひとりのお口の状態に合わせ、安全性と長期的な安定性を考えた治療計画をご提案しています。


② 包括的なアプローチと確かな技術
インプラントは、埋入する位置や角度、噛み合わせまで精密に設計することで、長く安定して機能しやすくなります。 単に欠損部にインプラントを埋入するだけでなく、全体の噛み合わせのバランスを整えるために、必要に応じて骨造成や矯正治療も組み合わせた包括的なシミュレーションを行います。科学的根拠に基づいた力をコントロールする設計こそが、インプラントへの過度な負担を防ぎ、長期安定を実現する鍵となります。
③ 科学的リスク管理に基づく定期メインテナンス
インプラント自体は虫歯になりませんが、「インプラント周囲炎」を患うと、自覚症状がないまま周囲の骨が溶け、インプラントを失う最大の原因になります。学術的な調査でも、定期メインテナンスを怠った場合は、周囲炎の発症リスクが大幅に高まることが実証されています。
そのため、ご自宅でのセルフケアと歯科医院での定期的なメインテナンスが欠かせません。 当院では、「メインテナンスもインプラント治療の一部」と考えています。歯科医師と歯科衛生士が連携し、お口の状態に合わせた専門的なメインテナンス(専用機器を用いた精密なクリーニング等)を行っています。
また、当院の歯科衛生士は継続的に知識・技術の研鑽を重ねており、2026年8月にはインプラントメインテナンスをテーマとしたセミナーで講師を務める予定です。指導的立場にある専門スタッフが、患者さまのリスクに応じた科学的なケアを提供いたします。

安心して治療を受けていただくために
東京銀座デンタルクリニックでは、インプラントを長く安心してご使用いただくため、適切な診査・診断、精密な治療、そして継続的なメンテナンスを大切にしています。
それでも、「万が一のことが心配」という患者さまもいらっしゃいます。
そのため当院では、ご希望の患者さまを対象にガイドデントのインプラント10年保証制度にもご加入いただけます。
治療後も安心してインプラントをご使用いただけるよう、治療技術だけでなく、アフターサポート体制も整えています。
インプラントを長持ちさせるために
インプラントを長持ちさせるためには、
・精密な診査・診断に基づく治療設計
・包括的なアプローチと確かな技術
・科学的リスク管理に基づく定期メインテナンス
この3つが欠かせません。
東京銀座デンタルクリニックでは、インプラントを埋入することをゴールとは考えていません。
長く安心してお使いいただくことをゴールと考えています。
精密な診査・診断に基づく治療設計、包括的なアプローチと確かな技術、継続的なメインテナンス、そしてご希望に応じた保証制度まで含めて、患者さまが安心して治療を受けられる環境づくりを大切にしています。
インプラント治療をご検討中の方や、長く安心して使えるインプラント治療をご希望の方は、ぜひ一度東京銀座デンタルクリニックへご相談ください。
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🔵 24時間WEB予約はこちら
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この記事の執筆・監修

金山 健夫
東京銀座デンタルクリニック 院長 / 歯学博士
インプラント治療・補綴治療・デジタル歯科治療を中心に診療を行う。
日本補綴歯科学会 専門医・指導医。
国立がん研究センター中央病院 非常勤医師(インプラント外科・補綴担当)。
院長プロフィールはこちら
オールオン4と言われました。本当にそれが最善なのでしょうか?
2026年6月10日
インプラント治療のご相談で、近年よく耳にする言葉のひとつに「オールオン4(All-on-4)」があります。
患者様からも、
・「他院でオールオン4を勧められました」
・「歯を全部抜いてオールオン4にすると言われました」
・「オールオン4が一番良い治療なのでしょうか?」
というご相談をいただくことがあります。
オールオン4は、少ない本数のインプラントで固定式の人工歯を支える優れた治療コンセプトです。
しかし当院では、「オールオン4だから良い」「オールオン4だから悪い」という考え方はしていません。
大切なのは治療法の名前ではなく、その患者様にとって本当に長期的に安定する治療かどうかです。
オールオン4とはどのような治療でしょうか?
オールオン4とは、4本のインプラントで片顎の人工歯を支える治療コンセプトです。
一般的には、
・前方の2本は垂直に埋入
・後方の2本は傾斜をつけて埋入
することで、骨造成を回避しながら固定式の人工歯を支えることを目的としています。

オールオン4には、
・少ない本数で固定式の歯を支えられる
・骨造成を回避できる場合がある
・治療期間を短縮できる場合がある
といったメリットがあります。
その一方で、患者様のお口の状態によっては別の治療設計が適している場合もあります。
「オールオン4」という言葉だけでは治療内容は分かりません
現在では「オールオン4」という言葉が広く知られるようになりました。
しかし実際には、
・4本ではない
・骨造成を併用している
・即時負荷を行わない
・本来のコンセプトとは異なる設計
であっても「オールオン4」という名称で説明されることがあります。
もちろんそれが悪いという意味ではありません。
ただ、患者様がイメージしているオールオン4と、実際に行われる治療内容が一致していないケースも少なくありません。
そのため当院では、まず診断を行い、
・骨の状態
・残存歯の状態
・清掃性
・咬合設計
・長期安定性
を総合的に評価することを重視しています。
本来のオールオン4ではボーンリダクションを行うことがあります
オールオン4の本来の考え方では、必要に応じて骨の高い部分を整える処置(ボーンリダクション)を行います。
特に下顎前歯部では骨が高く残っていることがあり、そのまま人工歯を作製すると
・補綴スペース不足
・清掃性の低下
・審美性の低下
につながる場合があります。
そのため骨の高い部分を整え、顎堤を平坦化してからインプラント治療を行う考え方があります。

ボーンリダクションの目的は、単に骨を削ることではありません。
・人工歯のスペース確保
・清掃性の向上
・審美性の向上
・長期安定性の向上
を目的として行われます。
当院が傾斜埋入に慎重な理由
オールオン4では後方のインプラントを傾斜埋入することがあります。
これは骨造成を回避しやすいというメリットがあります。
一方で当院では、傾斜埋入そのものに対して慎重な考えを持っています。
理由は、治療後の清掃性やメンテナンス性です。
傾斜埋入したインプラントでは、角度を補正するためのアングルアバットメント(マルチユニットアバットメント)が使用されます。
もちろん優れたシステムですが、構造が複雑になることで、
・清掃しにくい
・汚れが溜まりやすい
・長期的なメンテナンスが難しくなる
可能性があります。
当院では、インプラントは「入れること」よりも「長く維持すること」が重要だと考えています。
そのため、
・補綴設計
・清掃性
・メンテナンス性
・将来的な対応のしやすさ
まで含めて治療計画を立案しています。
当院の全顎インプラント治療症例

上下顎の歯を失った患者様に対し、骨造成を併用しながら全顎的なインプラント治療を行った症例です。
本症例では、
・骨の状態
・咬合設計
・清掃性
・長期安定性
を総合的に考慮しながら治療計画を立案しました。
当院では治療法ありきではなく、患者様一人ひとりに合わせた設計を行い、機能回復と長期安定を目指しています。
当院が全顎インプラント治療で重視していること
当院では、
・オールオン4
・オールオン6
・骨造成併用インプラント
・残存歯の保存
・矯正治療の併用
など、様々な選択肢の中から診断を行っています。
重要なのは、「どの治療法を行うか」ではなく、「その患者様にとって最適な治療計画は何か」です。
オールオン4は有効な選択肢のひとつです。
しかし、すべての患者様にとって最善とは限りません。
当院では、治療法の名前ではなく、骨の状態・清掃性・咬合設計・長期安定性を重視しながら診断を行っています。
オールオン4と言われて不安な方へ
・本当に歯を全部抜く必要があるのか
・他の治療方法はないのか
・自分の場合はどのような選択肢があるのか
患者様のお口の状態によって、最適な治療方法は異なります。
当院では、オールオン4ありきではなく、骨の状態・残存歯・清掃性・咬合設計・長期安定性まで含めて診断を行っています。
「他院でオールオン4を勧められた」「別の選択肢がないか知りたい」という方もお気軽にご相談ください。
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この記事の執筆・監修

金山 健夫
東京銀座デンタルクリニック 院長 / 歯学博士
インプラント治療・補綴治療・デジタル歯科治療を中心に診療を行う。
日本補綴歯科学会 専門医・指導医。
国立がん研究センター中央病院 非常勤医師(インプラント外科・補綴担当)。
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