矯正治療が終わったのにインプラントができない?―歯根の位置まで考えた矯正治療
2026年8月13日
インプラント治療では、歯が抜けている部分に十分なスペースがあれば治療できると思われる方も多いかもしれません。
しかし実際には、お口の中から見える「歯と歯の隙間」だけでは、インプラントを埋入できるかどうか判断できないことがあります。
今回は、他院で矯正治療を終えた後、インプラント治療について当院へご相談いただいたケースをご紹介します。
歯の隙間はあるのに、インプラントを入れられない?
こちらのケースでは、矯正治療によって欠損部分に歯が入るスペースは確保されていました。
一見すると、インプラント治療を行うためのスペースも十分にあるように見えます。
しかし、歯の表面だけでなくCBCT画像を用いた三次元診断により、歯根の軸傾斜や骨幅まで精緻に評価すると状況は異なっていました。

*口腔内スキャンとX線画像を重ねて確認すると、歯冠部にはスペースがある一方、骨の中では隣接する歯根との距離が十分ではないことが分かります。
インプラントでは「歯根のスペース」も重要です
インプラントは骨の中に埋入する治療です。
そのため、最終的な歯が入るスペースだけではなく、インプラントを適切な位置・方向に埋入するための骨のスペースや、隣接する歯根との位置関係まで確認する必要があります。
今回のケースでは、見た目上のスペースは確保されていましたが、インプラント治療を行うという観点では歯根間のスペースが十分ではありませんでした。
そこで当院では、すぐにインプラントを埋入するのではなく、再度矯正治療を行い、歯根の位置を整えてからインプラント治療へ進む計画としました。
矯正治療には「最終的なゴールから逆算した設計」が大切
矯正治療には、歯並びや噛み合わせの改善など、それぞれ異なる治療目的があります。
そのため、今回のケースだけをもって以前の矯正治療の良し悪しを判断することはできません。
一方で、矯正治療後にインプラントを予定している場合は、最終的なインプラントの位置まで考えた矯正治療計画が重要になります。
単に「歯と歯の間に隙間を作る」のではなく、
どこにインプラントを埋入し、どの位置に最終的な歯を作るのか。
そこから逆算して、歯冠だけでなく歯根の位置まで整えていく必要があります。
当院では矯正とインプラントを一つの治療として考えます
東京銀座デンタルクリニックでは、インプラント治療と矯正治療をそれぞれ独立した治療として考えるのではなく、最終的な歯の位置・噛み合わせ・インプラントの埋入位置まで含めて治療計画を立案しています。
今回のケースも、矯正治療を担当する飯岡拓馬医師が歯根の位置を再評価し、インプラント治療を見据えた再矯正を行う予定です。
「矯正治療は終わったけれどインプラントができないと言われた」
「インプラントを入れるためのスペースが足りないと言われた」
「矯正とインプラント、どちらから治療すればいいのか分からない」
このような場合でも、矯正とインプラントの両方から治療計画を検討することで、選択肢が広がる可能性があります。
まずは現在のお口の状態を正確に確認することが大切です。
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この記事の執筆・監修

飯岡 拓馬
歯科医師・歯学博士
OISS(Ortho Implant Synergy System)提唱者。インプラント・矯正治療を専門とし、
先天性欠損やインプラント矯正など、包括的な治療を得意とする。
・Osstem インプラント矯正治療ディレクター
・国際インプラント協会(IDIA)指導医
・日本口腔インプラント学会
・Quintessence Yearbook 掲載
・保田矯正塾 講師





