エビデンス・ベースド・メディスン(EBM)とは? – インプラント治療への応用
2024年2月2日
インプラント治療を検討中の皆様や、歯科の分野で学びを深めたい専門家の方々に向けて、”エビデンス・ベースド・メディスン(EBM)”の世界へご案内します。この言葉が耳慣れない方もいれば、テレビで耳にしたことがある方もいるでしょう。EBMの概念は、サケット先生による有名な論文で提唱され、1990年代から医療のあり方を変えてきました。
論文タイトル:
Evidence based medicine: what it is and what it isn’t
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EBMの魅力は、単なる経験や専門家の意見に頼るのではなく、科学的証拠を基にした医療の実践にあります。これにより、より安全かつ効果的な治療法を選択することが可能になります。ただし、EBMについては誤解されがちな点もあります。
一つは、EBMで言う「エビデンス」とは、主に人間を対象にした臨床研究から得られるデータを指すことです。動物実験や基礎研究も医学の理解には不可欠ですが、EBMでは直接的なエビデンスとしては扱われません。また、「エビデンスがない治療は避けるべき」という考え方も誤解です。エビデンスが不足している治療であっても、それが有効である可能性は十分にあります。特に、新しい治療法やまだ十分に研究されていない分野では、エビデンスの量が限られることはよくあります。
インプラント治療においても、高品質な臨床研究を行うことの難しさから、エビデンスが不足しがちです。しかし、これはインプラント治療がEBMに不向きであるというわけではありません。EBMの真髄は、臨床で直面する問題に対して、最新の情報をもとに、患者様一人ひとりの希望や状況を考慮しながら治療を進めることにあります。
私たちのクリニックでは、EBMの理念に基づき、患者様に最適なインプラント治療をご提供することをお約束します。安全で効果的な治療を受けることは、皆様が期待する権利です。私たちは、科学的根拠に基づいた最良の治療選択を通じて、その権利を実現します。