「噛むこと」が脳の健康を守るという最新研究
2025年6月12日
近年、「歯を失うと認知症のリスクが高まる」という話を耳にしたことはありませんか?
このたび発表された最新の国際的研究論文では、さらに一歩踏み込んで、
義歯(入れ歯)などの補綴治療が、認知機能の低下リスクを軽減する可能性があることが明らかにされました。
🔍 研究の概要
2025年に『Journal of Prosthodontic Research』に掲載された論文は、世界4カ国から集められた24,000人以上のデータを解析したシステマティックレビューとメタアナリシスです。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jpr/advpub/0/advpub_JPR_D_24_00060/_article/-char/en
その結果、以下のような傾向が確認されました。
-
歯を失って義歯を使用していない人は、認知機能障害のリスクが1.27倍に増加。
-
一方、義歯を使用している人は、ほとんどリスクが上昇せず、**1.02倍(有意差なし)**にとどまりました。
-
また、「歯が1本失われるごとに」認知機能のリスクが上がる傾向(いわゆる用量反応関係)が見られましたが、義歯を使用している人ではその上昇が抑えられていたのです。
🧠 なぜ噛むことが脳に良いのか?
研究では、歯を失うことで以下のような生理的な悪影響が脳に及ぶと考察されています。
-
噛む刺激が減ることで、脳の血流が低下し、神経細胞が減少
-
歯周病由来の炎症が、神経系に慢性炎症を引き起こす
-
咀嚼機能が落ちることで、認知機能に関わる脳領域の活動が低下
そのため、失った歯を放置せず、適切に補綴(ほてつ)することが重要とされます。
🦷 義歯?それともインプラント?
当院では、患者さまの状態やご希望に応じて、義歯治療とともに、インプラント治療をご提案しています。
インプラントは、しっかり固定されて安定感があり、より自然な咀嚼機能の回復が可能です。
今回の研究は義歯を対象としたものでしたが、咬合機能の回復という観点ではインプラント補綴の方が効果的である可能性も高く、今後の研究が期待されます。
✅ まとめ:歯を失ったままにしないことが、健康寿命を延ばす第一歩
「入れ歯は見た目が気になるから…」「数本ぐらい歯がなくても平気」と思われている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、歯の喪失は「脳」にも影響するということが、科学的に証明されつつあります。
東京銀座デンタルクリニックでは、多数歯欠損や無歯顎の方への補綴治療(義歯・インプラント)に力を入れており、脳と口の両方の健康を守るサポートをしています。
📩 ご相談・ご予約はこちらからどうぞ。
「歯が抜けたままになっている」「しっかり噛めない」「義歯が合わない」と感じている方は、どうぞお気軽にご来院ください。